先月、愛媛県大洲市で車いすに乗った87歳の女性が、大量のスズメバチに約150か所を刺され、死亡していたことがわかりました。
消防によると、先月11日の午後4時ごろ、大洲市長浜町に住む87歳の菊地チヱ子さんがスズメバチに刺されたという通報がありました。
通報からおよそ15分後に救急隊員が到着しましたが、菊池さんの周りには大量のスズメバチが集まっていて、隊員は近づけませんでした。救急隊員はレスキュー隊の出動を要請し、最終的にはスズメバチが減った頃合いを見計らって菊池さんを助け出しました。
菊地さんは病院に運ばれましたが、およそ50分の間、全身を150か所ほど刺されており、次の日に転院先の病院で多臓器不全のため亡くなりました。
当時、菊地さんは市内にある福祉施設の通所サービスを利用し終わって帰宅するところでした。菊池さんは施設の送迎車を降りて、電動車いすで職員の助けを受けながら自宅へ帰っていた時、大量のスズメバチに刺されたということです。
菊池さんが刺された現場は、山の中に家々が複数建っている地域で、近くの空き家の軒下にスズメバチの巣があったということです。
また、付きそいの職員もスズメバチに刺されていました。施設によると、職員はハチがあまりにも多すぎたため、菊池さんを助けることができなかったと話しているということです。
大洲地区広域消防事務組合消防本部は、通報を受けた時、菊池さんはすでにスズメバチに刺されるおそれのない場所へ移ったと考えて、防具を用意しなかったため、救助するまでに時間がかかってしまったと話しています。
厚生労働省によると、毎年全国で20人程度がスズメバチなどに刺されて死亡しており、去年は19人が死亡したということです。